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スポーツコラム1

漫画にみる野球肘、肩

古くは、巨人の星の星飛雄馬、ドカベンの里中智、最近ではmajorの茂野五郎、など、野球漫画界でも投球障害肩、肘がみられる。それだけ投手の抱える障害というのは有名であり、また問題なのであろう。それを克服してまた復活投球をするというのは、やはり話のネタにもなりやすいし、ストーリー上美談となりやすいのであろう。しかし、その治療法についてはあまり言及されていない。
星飛雄馬は左投げから右投げへ変えて復活。
茂野五郎に至っては小学生ですでに右肩を壊し中学から左投げへ。そしてメジャーで左も壊して、また右投げに戻して日本プロ野球に野手として復活。まさに漫画の成せる荒業!小学生で投げれなくなるほどの肩の障害は本当に問題である!
里中の治療は、針、温熱、マッサージ、また逆療法と称して痛い肘を無理やり動かして腕立てをする、などの治療が施された。里中は夏の甲子園で肘を壊し、秋の大会まで治療を間にあわせ見事に復帰登板を果たした。
以前の投球障害に対する治療というのは、今ほど確立されたものはなく、里中治療が一般的であったと思われ、現在ではかなり知識も技術も進歩を遂げた感がある。ただ、その知識技術はまだまだ浸透しているわけではなく、いまだに里中治療が体制を占めているような印象である。

上記は、おそらく平成 25 年頃に書いた記事で、久しくアップしなかったわたくしの怠慢 をお許しください。アップする機会を頂いたので、追記いたします。
先日、ドカベンの産みの親である、漫画家水島新司さんがお亡くなりになりました。謹んでご冥福をお祈りいたします。ドカベンは小生の野球のルーツであり、小学生で始めた野球 は迷わずキャッチャーを選びました。また、メジャーの茂野五郎は、息子が中学生となり、 本人はコーチ役にまわるという変遷を遂げて、時代の流れを感じずにはいられません。その 間、野球肘肩に対する治療もだいぶ変遷しており、また、SNSなど情報があふれる時代となって、正しい情報から怪しい情報まで入手しやすい時代になりました。そんな時代なので、 僕の知識が決して正しいものではない可能性もあり、日々のアップデートの重症性を認識 し、研鑽している次第であります。また、患者さんからも情報をいただき、真偽の検証や助 言を一緒にしていけたら、よりよい医療が実現できるのではないかと考えております。遠慮 なく意見していただき、ともに治療していきましょう。

担当医師:
冨田医師(水曜日午後・金曜日午前)
冨田医師のスポーツ専門外来は予約制で月曜日午前